医療保険について考える 前編
「民間の医療保険は必要ですか!?」
最近よく質問を受けます。
親しい方には、質問返しで、
「加入目的はなんでしょう!?」
「直近で医療保険を使いましたか!?」
「月の保険料はどのくらいですか!?」
答えは、
「お守り代わりかな」
「全く使っていません、あるいは、コロナで給付金をもらいました」
「3,000円くらいかな」
という回答が多いですね。
日本には、以下のような制度があります。
「国民皆保険」とは、病気のときや事故にあったときの高額な医療費の負担を軽減してくれる医療保険制度です。 日本ではすべての国民が公的医療保険に加入することになっており、国民皆保険制度(こくみんかいほけんせいど)と呼ばれています。
他の先進国はどうなのでしょうか。
税方式のイギリスとスウェーデンは、国民の100%が加入しているので、
国民皆保険と呼べます。
日本と同じく、社会保険方式を採用しているのは、フランスとドイツですが、
フランスは99%、ドイツは87%の加入率になります。
アメリカを見てみると、公的医療保険制度の加入対象者は限定的で、
国民の67.5%が民間保険を利用しており、無保険者は全体の10%にもなります。
医療費の負担率を見てみると、
日本は3割負担(年齢による)ですが、
イギリス、スウェーデンは、原則自己負担はありません(自治体による)
フランス、ドイツは、外来、入院、薬剤によって異なりますが、
日本とほぼ同じ負担率です(ドイツは外来の自己負担なし)
アメリカは、自己負担も多く、民間保険の保険料も高額となるために、
低所得層を中心に無保険者が増えてきています。
日本の健康保険には、高額療養費制度と傷病手当金という制度があるのも
以前のコラムでご紹介しました。
2022年1月より、傷病手当金の制度が改正され、
「支給開始日から通算して1年6か月」が支給されることになりました。
従来の支給開始日から起算して1年6か月よりも長期間が出ることとなり、
安心感が増しました。
以上を踏まえると、民間の医療保険は必要ないのか、
という結論を出すのは、時期尚早です。
次回の後編では、もう少し深掘りします。